【6月27日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は26日、米オートバイメーカーのハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)に対し、生産の一部を国外に移転するならば課税すると警告し、米国を象徴する同社のオートバイは「決して」国外で生産されてはならないと猛批判した。

 ウィスコンシン州に本社を置くハーレーダビッドソンは前日の25日、欧州連合(EU)が先週発動した対米報復関税を回避するため生産の一部を海外に移す計画を発表していた。

 これを受けてトランプ氏は26日早朝、ツイッター(Twitter)に痛烈な投稿を連続して書き込み、ハーレーダビッドソンの生産移転が同氏の政策によって引き起こされたものだとする見方をすべて否定した。「ハーレーダビッドソンは今年、生産の多くをカンザスシティー(Kansas City)からタイに移転すると表明していたが、それは関税が発表されるずっと前のことだ。つまり彼らは関税や貿易戦争を言い訳に利用している」と述べ、「ハーレーは米国に輸入するなら重い税を支払わなくてはならないと覚えとけ!」と続けた。

 さらに、ハーレーダビッドソンのバイクは「海外で生産されることなど決してあってはならない」「従業員や顧客はすでに同社に対して怒っている。移転すれば、いまに分かるだろうが、それは終わりの始まりだろう。彼らは降参した、彼らは立ち去る!オーラは消え、かつてないほどの税が課せられることになるだろう」とあざけるツイートをした。

 これについてハーレーダビッドソンはコメントの求めに応じていないが、同社は先に海外生産移転はEUの関税を回避するためのもので、米市場で販売するためではないと説明していた。同社は以前から、低迷する米国内での販売を補うため海外市場での販売を増やす必要があり、タイなどでの海外生産は長期的に必要不可欠だと繰り返し説明していた。

 なお、ハーレーダビッドソンがタイ工場について発表したのは2017年5月であり、トランプ氏がツイッターで述べた「今年」ではない。(c)AFP/John BIERS