【6月25日 AFP】ベルギー・ブリュッセルで24日、欧州連合(EU)加盟国28か国のうち16か国の首脳が参加する臨時の会議が開かれ、移民や難民の受け入れに関する話し合いが行われたものの、各国の主張の隔たりは大きく、議論は平行線をたどった。一方、多くの移民を乗せた救助船は今も地中海上で立ち往生を余儀なくされている。

 欧州各国はこのところ、自国の紛争や迫害を逃れて地中海から流入してくる難民や移民の対応をめぐり対立を深めている。移民・難民の受け口で、移民救助船の入港を拒否しているイタリアは他のEU諸国が移民の対応に消極的だと主張し、強硬な姿勢を崩さなかった。

 一方、アフリカ人の移民ら239人を乗せたドイツのNGO「ミッション・ライフライン(Mission Lifeline)」の救助船と、イタリア沖で移民を救助したデンマークの貨物船「アレクサンダー・マースク(Alexander Maersk)の2隻はともにイタリアとマルタから受け入れを拒否され、地中海上で待機を余儀なくされている。

 移民救助船をめぐっては、移民629人を乗せた救助船「アクエリアス(Aquarius)」もイタリアとマルタから入港を拒否され、その後スペインに寄港している。

 スペインのNGO「プロアクティバ・オープン・アームズ(Proactiva Open Arms)」によると、地中海上に助けを必要としている船があるとの連絡を24日だけで7~8回受けたという。

 同NGOの広報担当によると、全ての情報をまとめるとリビア沖に漂流している船には合わせて最大1000人の移民がいるとみられるものの、イタリアの沿岸警備隊からは救助の申し出を断られた上、「救助はリビアの沿岸警備隊が対応している」と告げられたという。(c)AFP/Lachlan CARMICHAEL and Clare BYRNE