■PK数はすでに前回大会に迫る勢い

 ブラジルW杯では全体で13回のPK判定が下されたが、ロシアでは大会序盤ながらPK10本が与えられている。VARによりこれまで以上にファールが可視化されたことが、PK数の大幅な上昇理由に挙げられる。

 ダビドセン氏はW杯が進むにつれ、通常のプレーからのゴールが増えると考えている。

「全チームにとっての1試合目では、誰もが緊張してチャンスをものにできない。そうなれば、セットプレーというのはさらに重要になってくるものだ」

 一方、今大会では目を見張るようなFKが3本決まっている。

 ロシアのアレクサンドル・ゴロヴィン(Alexander Golovin)がサウジアラビア戦で、ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドがスペイン戦で、さらにセルビアのアレクサンダル・コラロフ(Aleksandar Kolarov)がコスタリカ戦で、それぞれ壮観なFKを蹴り込んだ。

 過去のW杯公式球は不規則に揺れたり落ちたりと、止めたりつかんだりするには悪夢となるGKからは不満の声が上がっていた。

 今大会の公式球「テルスター18(Telstar 18)」は、空中でより安定すると考えられていたが、複数のGKはそれほどではないと語る。

 そのうちの一人、ロシアのGKイゴール・アキンフェエフ(Igor Akinfeev)は、公式球の影響もあって、ブラジルのフィリペ・コウチーニョ・コレイア(Philippe Coutinho Correia)がみせたカーブをかけたミドルシュートや、ロナウドとコラロフが得点したFKが得点につながったと考えている。

「このボールには多くの批判が集まっているが、いまさら変えようがない。GKとしてはボールを守り、確実に手のひらに当てなければならない」 (c)AFP/Peter STEBBINGS