【6月16日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)が15日、政府側との停戦に入った。国民は2001年の米軍主導の侵攻以来初めて、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」明けの祭り「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」を平和的な雰囲気の中、祝った。

 祭り初日の朝、モスク(イスラム礼拝所)には大勢の人々が礼拝に集まった。戦争で荒廃した同国の若者らの中には、停戦について、注意深くも楽観的な見方をする人もいた。

 戦争の勃発と同じ頃に生まれたサミウラーさん(17)は、カブール中心部にあるシャーリ・ドゥ・シャムシラ・モスク(Shah-e Do Shamshira)での礼拝後、「イード・アル・フィトルの時期はほとんど毎年攻撃があった。暴力がないのは珍しい」「アフガニスタンに平和が訪れることを願っている」とAFPの記者に語った。

 一方、同じくAFPの取材を受けたイムラン君(13)は「アフガニスタンに平和は来ないと思う。毎日戦闘が激しくなっているのを見ているから」と悲観的な意見を述べた。

 同国国防省のモハマド・ラドマネシ(Mohammad Radmanesh)報道官によれば、祝祭が始まってから、タリバンによる政府軍への攻撃についての報告は一切ないという。

 アシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領は先週、警察と軍が12日から8日間、タリバンに対する軍事作戦を停止すると発表。ただし、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」など他の武装組織に対する攻撃は続けると警告した。

 一方、タリバンは9日、「イード・アル・フィトル」の開始から3日間、政府軍と停戦すると発表。停戦合意は17年に及ぶ戦闘で初めて。(c)AFP/ Mushtaq MOJADDIDI