【6月14日 AFP】サウジアラビア主導の連合軍による支援を受けたイエメン暫定政権側部隊は13日、イランが支援する反政府武装組織「フーシ派(Huthi)」が支配する港湾都市ホデイダ(Hodeida)を奪還するため攻撃を開始した。ホデイダは人道支援物資の中継地で、国際社会からは自制を求める声が上がっている。

 暫定政権は12日、交渉によるフーシ派のホデイダ退去は失敗し、国連主導による和平の取り組みための猶予期間も過ぎ去ったと表明していた。

 人道危機への影響に対する国際社会の懸念が募る中、暫定政権側部隊はサウジ主導の連合軍から支持を得た後に攻撃を開始。部隊はホデイダの南にある空港へと南方から進軍しており、13日夜の時点では空港に近い郊外にとどまっている。この空港も、反政府側の支配下にある。

 連合軍側の情報筋によると、暫定政権勢力は13日、ホデイダ郊外のフーシ派拠点に18回の空爆を実施。現地の医療筋によれば、暫定政権側の攻撃でフーシ派戦闘員22人が死亡する一方、政権側もホデイダの南でフーシ派の待ち伏せ攻撃を受け、3人が死亡した。

 ホデイダでは、自宅周辺に戦闘が及ぶのを不安がる人々の姿が見られた。AFPが接触した人々は、フーシ派戦闘員らは市内に散開したと話している。

 困窮に陥り、重度の食料不足が迫るイエメンにあって、紅海(Red Sea)に面する主要港であるホデイダ港は、同国への輸入品の70%が通過する。

 マーチン・グリフィス(Martin Griffiths)イエメン担当国連特使は、支援物資の配布に引き続き同港を利用できるよう、関係各方と交渉を継続していると表明した。

 一方、連合軍の柱となっているアラブ首長国連邦(UAE)は、今回の攻撃で必要不可欠な支援物資の供給が途絶えることはないとしている。

 連合軍は、フーシ派は弾道ミサイルをはじめとする武器をイランから調達するためホデイダ港を利用していると非難。同派はサウジアラビア領内へのミサイル発射を増やしてきた。
(c)AFP/Fawaz al-Haidari