【6月10日 東方新報】「買えないから借りる」という考えが、過去のものになりつつある。最少の支出で楽しみを得る方法として「レンタル生活」が普及し、環境保護の面からも「借りて使って返す」スタイルが、肯定的に受け取められるようになってきた。

 小さな子どもがいるある夫婦は、「子どもにおもちゃを買わないことにしている。借りる方が選択肢が多くて安い。場所も取らない」と話した。

 大学を卒業したばかりで収入が少ない女性でも、レンタルサービスを利用することで、高級ブランドのバッグを持ったり休みの日にドライブに出たりと楽しめる。

 また、夫は弁護士、妻は大学教授で世帯収入がそれなりにある夫婦も、子どものおもちゃやカメラを買わずにレンタルしている。

 螞蟻金融服務(アントフィナンシャル、Ant Financial)の調査によると、ユーザーの73%がレンタルに対し肯定的な態度を示し、特に都市部である一級、二級都市の住民は好意的だった。

 世代別に見ると、「レンタル族」の典型は1990年代後半生まれで、高学歴、未婚、持家なしの学生やビジネスパーソンだった。新しいものに抵抗がなく、流行に敏感な若者層だ。

 ある若者は、「以前は借りるにも高額な保証金が必要だったが、今はそういった慣習も減り、自分の信用で借りられるようになったので、使いやすい」と語った。

 別の「レンタル族」は、「コストだけでなく、環境面やカッコよさも重要な要素だ」と指摘した。

 レンタルが好まれるのは自動車やスマートフォン、家電、デジタル製品など、価格が高く、しかも値崩れが速い物だ。借りることで流行に乗りつつ衝動的な消費を抑えられることに、魅力があるのだろう。(c)東方新報/AFPBB News