【6月5日 AFP】スリランカの中部で、野ざらしのごみ捨て場に野生のゾウがごみをあさりに来て、腐った食べ物と一緒にプラスチックのかけらをのみ込んでしまうなど問題となっており、専門家が警鐘を鳴らしている。

 スリランカ政府は昨年、野生動物の保護地域近くでのごみの屋外投棄を禁じた。にもかかわらず、アジアゾウの専門家、ジャヤンタ・ジャヤワルダナ(Jayantha Jayewardene)氏によると、野生動物の保護地域の近くでごみが不法に投棄されており、数百頭のゾウがごみをあさって食べ、多くは病気になっているという。スリランカには7500頭のゾウが野生で生息しているとみられている。

「スリランカはゾウを国の宝だと見なしているが、ごみをあさって食べるレベルにまで落ちてしまった」と、ジャヤワルダナ氏はAFPの取材に語った。

 スリランカ東部ハバラナ(Habarana)では、20頭の野生のゾウの群れが完全にごみに頼るようになり、トラックがやって来てごみを捨てていくのを家畜のように待っているという。

「このゾウたちは、もはやジャングルで餌を探し回ることはない。動物園の動物のようだ。国の宝が腐ったごみを口に入れるのを見るのは残念だ」と、ジャヤワルダナ氏は述べた。(c)AFP