【6月5日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2018)は4日、男子シングルス4回戦が行われ、大会第11シードのディエゴ・シュワルツマン(Diego Schwartzman、アルゼンチン)が1-6、2-6、7-5、7-6(7-0)、6-2で第6シードのケビン・アンダーソン(Kevin Anderson、南アフリカ)に大逆転勝利を収め、準々決勝に進出した。

 シュワルツマンは自分より33センチも長身の選手に勝てたことについて、有名な「ダビデ(David)とゴリアテ(Goliath)」の物語のおかげだと話している。

 身長170センチのシュワルツマンは、203センチの長身を誇るアンダーソンに序盤は圧倒されて2セットダウンとされながらも、相手のサービングフォーザマッチで2度ブレークに成功して競り勝てた理由について、ダビデが小石を投げて巨人ゴリアテを倒した旧約聖書の物語を引き合いに、「ダビデとゴリアテの話を読んだことはあるかい? そのおかげなんだ。子ども時代に学校で読んでいて、ケビンや2メートルを超すような選手と対戦するときは、いつもその物語のことを考えるようにしている」と説明した。

 世界ランク12位のシュワルツマンは、食い下がって試合にとどまり続けると、コート・スザンヌ・ランラン(Court Suzanne Lenglen)の観客を味方につけ、アンダーソンが第3セットと第4セットに5-4とリードした場面でともにブレークを奪った。

「アンダーソンのような実力や身長がなくても、試合には勝てるんだ。観客は僕の味方だったと思う。だって、みんな応援してくれていたからね。僕が勝ち残ることを望んでいた。自分よりもはるかに上背がある相手だから、必死に食い下がる必要があった。だけど、長身でも小柄でも絶好のサーブは打てる。身長は関係ないんだ」と話した。

 現在25歳で昨年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)でも8強入りを果たしているシュワルツマンは、準決勝進出を懸けた次戦で、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)という通算10度の大会優勝を誇るローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)の巨人と激突する。

 ナダル戦では5戦全敗を喫しているシュワルツマンは、今年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)の4回戦では1セットを奪ったものの敗戦を喫し、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2018)のクレーコートでは善戦したが敗れた。

「これまで彼と戦った試合では、いずれもチャンスはあった。だから、もう一度しっかり回復する必要がある。チャンスをものにするためには、彼に100パーセントの力でぶつかっていかなければならないし、何よりもここでは百戦錬磨の相手だからね。つまり、自分にもチャンスがあることは分かっているけれど、それ(チャンス)をものにしなければいけない」 (c)AFP/Jed Court