【6月2日 AFP】タイにとっては小さな一歩だが、東南アジアで最も臭いフルーツにとっては大きな一歩だ。タイは宇宙食としての利用を念頭に、「フルーツの王様」と言われるドリアンを宇宙に打ち上げる実験を計画している。

 ドリアンは東南アジア全域で食されている人気フルーツだが、刺激臭でも知られ、ホテルの客室、エレベーター、飛行機の客室などへの持ち込みが禁止されており、宇宙船のような狭い空間に持ち込めるのか懸念されている。

 しかしこの実験では乾燥させて真空パックしたドリアンを使用するので、臭いをかなり抑えることができる。打ち上げは7月に予定されている。密封して箱に入れ、ロケットで5分間だけ宇宙を旅する。さまざまな種類のタイ米もドリアンと一緒に打ち上げられる。打ち上げを請け負う組織はまだ明らかにされていない。

 タイ地球情報宇宙技術開発局(GISTDA)の報道官は「将来、宇宙飛行士がタイ食を食べられるようになってほしい」と述べた。「(実験で打ち上げたドリアンが)地球に戻ってきた後、小さくなったりひび割れが入ったりなどの何らかの物理的変化がないかどうか確認したい」 (c)AFP