【6月1日 AFP】サッカーフランス代表のディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督は、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)の指揮官を電撃辞任すると表明した元チームメートのジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)氏が、「いつか」自分の後継者になることを支持した。

 その一方で、今月14日から来月15日まで開催されるW杯ロシア大会(2018 World Cup)を控え、自分の肩にのしかかる重圧が、ジダン氏の決断によって増大するようなことはなかったとしている。

 1998年のW杯フランス大会(1998 World Cup)と2000年の欧州選手権(UEFA Euro 2000)で、レ・ブルー(Les Bleus、フランス代表チームの愛称)の主将を務め、MFとしてチームの要であったジダン氏とともにタイトルを獲得したデシャン監督は、「彼は代表指揮官になる。いつか必ずそうなることだろう」と述べた。

 先月26日に行わわれた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)決勝でリバプール(Liverpool FC)を3-1で下し、レアルを大会3連覇に導いたジダン氏は、同31日に監督を辞任すると電撃表明。その理由はスペインの強豪レアルに対し、さらなる勝利へのモチベーションをもたらす自身の能力に確信が持てないからだと説明した。

 レアルと2020年までの契約を結んでいたジダン氏は、「今年はこれ以上、勝ち続けるという自信が持てない。私は勝者だ。負けることは好きじゃない」と語った。

 一方、デシャン監督はフランスサッカー連盟(FFF)と2020年まで契約しているものの、ジダン氏が将来的に代表指揮官になるという見方を示しており、「現時点では休養を取って、家族との時間を過ごしたいのだろう」とすると、「いつか、彼は代表チームの指揮官になる。いつとは言えないが、それは合理的なことだと思う」と述べた。

 デシャン監督はまた、ジダン氏の決断がW杯に向けた自身の計画に影響を及ぼすようなことはなかったとしており、「そのことは考えてもいない。今は私と選手の目の前にあることに完全に集中し、仕事に専念していくだけだ」としている。

 ジダン氏がフランス代表の次期監督に就任する可能性については、レアルのストライカーであるカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)からも後押しする意見が出ている。同選手は代表でチームメートだったマチュー・ヴァルブエナ(Mathieu Valbuena)を脅迫して訴追された「セックステープ」事件によって、招集メンバーから遠ざかっている。

 ベンゼマはソーシャルメディアに、「一緒にプレーする喜びは経験できなかったけれど、あなたの指導を受けたことは最高の喜びでした。私に教えてくれたこと、そして与えてくれたことのすべてに対して、心から感謝しています。これからも幸運を祈っています。また、すぐに会えるでしょう。神のおぼし召しを」と投稿した。

 ロシアW杯で、ブラジルやドイツとともに優勝候補の一角に挙げられているフランスは、1日にニース(Nice)でイタリアとの親善試合を控えている。(c)AFP