■「家に残されたのは年寄り、弱い女性や子どもだけ」

 再教育収容所は、阿克切坎勒村から車で少しの距離にあり、有刺鉄線が張り巡らされた塀で囲まれている。厳重な警備が敷かれている入り口付近で家族がひしめき合っている姿が、平日にも見られる。

 拘束される人があまりにも増えたため、学校は両親が連れていかれた子どものための支援プログラムを提供している。また、工作組は残された人々の農作業を手伝っている。ウイグルの農業当局はいくつかの家庭について、「家に残されたのは年寄り、弱い女性や子どもだけだ」と述べた。

 国営メディアは、家族がいなくなった何万もの家庭に政府が手を差し伸べていると報じている。

 工作組の一人は、「誰が家族にこのような事態をもたらしたか、誰に復讐すべきか、誰の親愛の情に感謝を示すべきか、を(家族に工作組が)理解させなければならない」とソーシャルメディアに投稿している。

 だが、地方政府は反発に備えている。工作組派遣プログラムが怒りを引き起こし、危険な状況になっていると警告するメモが内部で回覧されているのだ。

 政府の農業部門のウェブサイトでは、工作組に対する事前注意事項が掲載されている。襲われた場合の緊急対策を考えること、村人の居住区に決して一人きりではいかないことなどを呼び掛けている。

 だが、BBTUの工作組は阿克切坎勒村の村人の心をつかめると確信している。昨年7月までに約50人の村人が共産党に入党したと誇らしげに語る。一方、拘束された村人は117人に上り、その数はすぐに「さらに増加する」とも工作組は述べている。(c)AFP/Ben Dooley