【2月28日 AFP】中国政府が新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)において、「危険人物」と見なした個人に対して警告や拘束をするためビッグデータとコンピューターによる予測分析を導入していることが分かった。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)が27日、発表した。

 HRWによると、同自治区当局は膨大な個人情報を照合し、監視対象者を特定しているが、住民らには知らされていないことが多いという。

 新疆ウイグル自治区はイスラム教徒のウイグル人が多数を占めるが、ひげを伸ばすことや公共の場で祈りをささげることが禁じられるなど、信仰への締め付けが強まっている。

 HRWの中国担当上級研究員マヤ・ワン(Maya Wang)氏は声明で、「中国政府がビッグデータと予測分析による取り締まりを行い、個人のプライバシーを侵害するだけでなく、当局者の裁量で個人を拘束させていることを初めて明らかにできた」と述べた。

 同氏はさらに、同自治区の住民らは「ブラックボックス」のようなこのプログラムの存在や機能を知らないため、ますます強まる監視体制に反対することも抵抗することもできないと指摘している。

 このプログラムでは個人の銀行記録や法的記録、コンピューターに保管された情報、監視カメラの映像を含むさまざまな情報を収集しているという。HRWが話を聞いた人々によれば、標的になった人の一部は罪状も裁判もないまま超法規的な「政治教育施設」に無期限で拘束されているという。(c)AFP