同性愛の若者が抱える苦悩 映画『ラブ、サイモン』ヒットで脚光
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■「安全な場所」
取材した3人は皆、ロサンゼルス郊外バンナイズ(Van Nuys)のダニエル・パール・マグネット高校(Daniel Pearl Magnet High School)に通っている。同校の生徒はわずか365人で、市内の他校と比べとても小規模だ。
ハーモニーさんは同校を「LGBTQの子どもの多くにとって、本当に安全な場所」と感じている。「誰かがいじめられた時、学校職員だけでなく、他の生徒が止めに入ることが多い」という。
ロサンゼルスでは、多くの学校にLGBTQの生徒のためのクラブがあり、全ての学校でいじめ対策やメンタルヘルス支援を行っている。だがチアソン氏いわく、学校とは最終的に「その地域の縮図」だ。それでも、「より深く広い受け入れに向けて少しずつ動いている」という。
NGO「GLSEN」による2016年の調査では、回答したLGBTQ生徒のうち、85%が何らかの言葉の暴力を受けたことがあり、66%が学校で差別を経験していた。
オーキッドさんは、学校でこれ以上カミングアウトするかどうかは分からないと語る。一方の家庭では、少なくとも今のところはカミングアウトなどほぼあり得ないという。
「カミングアウトするなら、家を出て、自分でできることはすべてやってからだと、常に思っていました」
「もし向こうが私を受け入れないのなら、好きにすればいい」 (c)AFP/Javier TOVAR