1996年生まれの傅は幼い頃からぜんそくを患っており、5歳になった時、医者のアドバイスで水泳を始めた。徐々にぜんそくの発作は減っていき、傅は純粋に水泳が好きになっていった。徐々に頭角を現し2011年、中国代表に選ばれた。

 国内のさまざまな試合で優勝を総なめにすると、世界の舞台でも活躍するようになる。

「すごい人たち(前を泳ぐ人)が足を洗った水は、もう飲み飽きた」

 8位に終わった2012年ロンドン五輪のコメントなど、ユーモラスなキャラクターが国民に知れ渡った。銅メダルを獲得した2016年リオデジャネイロ五輪のインタビューでは、全身を使って喜んだり、ユーモラスな表情を見せたりと、率直なコメントと合わせて一躍人気者になった。

■泣きながら「心が折れそう」

 しかし、2017年7月にハンガリー・ブダペストで行われた世界水泳選手権(17th FINA World Championships)では、100メートル背泳ぎの決勝に残れず、50メートル背泳ぎでは0.01秒差で金メダルを逃した。試合後に泣きながら「心が折れそう」と話していた。

 その後は、同年9月の中国全国運動会で金メダルを獲得したものの、それから半年が経った現在、左肩の痛みと闘うつらい毎日に、「引退」の文字が脳裏に浮かんだのかもしれない。

 まだ22歳という若さで引退の危機に立たされていることは残念だが、本人は平然としている。「スポーツ選手というものは遅かれ早かれ引退するものでしょう」(c)CNS/JCM/AFPBB News