■絶望とPTSD

「(状況が)変わるという希望がないことは大きな重荷になる」と、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」の臨床心理士ライムンド・アルバー(Raimund Alber)さんは指摘した。

 だが、アヤクさんや他の自殺を図った人の多くは、人生で2度目のチャンスを生きている。アヤクさんは今、夫を亡くした女性の集まりに参加し、定期的に精神面での支援も受けている。

 複数の支援機関が、機能不全に陥り内戦に明け暮れる南スーダン政府が残した裂け目を、心理面や精神面の支援を差し伸べることで補っている。

 ジェームス(32)さんは、避難民キャンプにある支援センターにやって来る自殺未遂者の一人だ。ジェームスさんの家は2014年に襲撃され、家族と共に避難民キャンプに逃げて来た。キャンプではぎゅうぎゅう詰めの必要最小限の環境で暮らしている。

「2年間、自殺しようと考えていた。状況は悪化し、食べるものはほとんどなかった。もう十分だと決めた」と、ジェームスさんはAFPの取材に語った。

「事を起こす前に友人が私に気付いた。一緒に床に座り、私は泣きだした」と、ジェームスさんは回想した。