【4月14日 AFP】アヤクさんは、南スーダンの悲惨な内戦で19歳になる息子が目の前で撃ち殺されたとき、すでに兄弟4人を含め数えきれないほどの死を目撃してきた。

 アヤクさんは内戦から逃れて来た人々が住む広大なキャンプで、ビニールシートとトタンでできた粗末な小屋に一人で住み、途切れなく続く雨で地面が泥になっていく様を見つめている。44歳になる彼女は、限界を迎えていた。

「すべてを目にしてきた。親族の生と死について考え、自殺することを決めた」と話すと、目に涙をため黙り込んだ。

 アヤクさんは自殺を図ったが生き延びた。

 南スーダン北部マラカル(Malakal)は、かつては貿易の中心地として栄えたが、長年の紛争によりゴーストタウンと化している。マラカルから車ですぐのところに、2万4000人が身を寄せる避難民キャンプがある。

 国際移住機関(IOM)によると、2017年にこのキャンプで自殺を図った人は31人(女性15人、男性16人)で、うち6人が死亡した。

 昨年12月、南スーダンの内戦は5年目に入った。内戦により何万人も殺され、約400万人が避難した。

 内戦の終結が、いつになるかは全く見えない。最近締結された停戦合意は、署名から数時間で崩壊した。マラカルの避難民らは希望を失っている。

 国連基地内に広がる避難民キャンプ「文民保護地区(PoC)」での生活は、プライバシーがない。ほとんどの家族は薄い敷物を敷いた床で寝ているが、床が水浸しになる雨期が数週間先に迫っている。

 人々はいまだ国連基地の外にでることに不安を感じており、文民保護地区内にとどまっている。

 デンマーク難民評議会(Danish Refugee Council)のラファエル・カポニー(Raphael Capony)さんは、「ここの人々は子どもの頃に文民保護地区にやって来た。彼らはこの場所で成人となり、将来を考え、絶望する」と述べた。