【4月12日 AFP】世界で最も貧しく不安定な国の一つとされる中央アフリカの首都バンギ(Bangui)のイスラム教徒地区で、国連(UN)平和維持軍と武装集団との間で衝突が発生、国連部隊の兵士1人を含む19人が死亡し、100人以上が負傷した。

 過去2年の間で最悪の流血の事態に憤ったPK5地区の住民ら数百人は、国連中央アフリカ多元統合安定化派遣団(MINUSCA)の拠点に押し寄せ、国連部隊によって10日に殺害されたという男性17人の遺体を並べた。MINUSCAによると、衝突は平和維持軍が治安捜査を開始した後に起きた待ち伏せ攻撃で始まった。

 フォスタンアルシャンジュ・トゥアデラ(Faustin-Archange Touadera)大統領は同地域での「この作戦の唯一の目的は(武装集団の)指導者らの逮捕だ。一つのコミュニティーや住民に対するものではない」と語った。

 治安筋が10日夜に語ったところでは、同地区の外れでパトロール部隊が待ち伏せ攻撃を受け、国連部隊の兵士1人が死亡、100人以上が負傷した。銃撃を受けたのはルワンダ軍とそれを支援している中央アフリカ軍の部隊だった。

 病院関係者によると負傷者56人がバンギの公立病院に収容され、その後1人が死亡した。これとは別に、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は負傷者44人の治療に当たっていると明らかにした。

 今回の衝突は2016年にトゥアデラ大統領が就任して以降、最も多くの死者を出すものとなった。抗議に参加した人は「トゥアデラ大統領は選挙遊説で、もし彼に投票すればムスリムには一切危害を加えないと公約した。だから彼に票を投じた。そして今、この状態だ」と語った。(c)AFP/Charles Bouessel