【4月8日 AFP】シリアの首都ダマスカス近郊の東グータ(Eastern Ghouta)地区で7日、反体制派最後の拠点ドゥマ(Douma)に対して新たな空爆があり、過去約24時間の民間人の死者は70人に達した。政権側は反体制派をドゥマから撤退させるべく攻勢を強めている。

 ドゥマではほかにも11人が呼吸困難となっており、市民ボランティア組織はバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権側が「有毒な塩素ガス」を使用したと非難している。

 一方、国営メディアは当局筋の話として、(毒ガス使用の)情報は反体制派の「でっち上げ」だと報じている。

 政権側は激しい軍事攻撃と反体制派との撤退交渉により、東グータの95%を奪還したが、最大の町ドゥマにはまだ反体制派が残留している。

 シリア政府を支援するロシアと、ドゥマを拠点とする反体制派武装勢力「ジャイシュ・アル・イスラム(Jaish al-Islam、イスラム軍)」の間で反体制派側の撤退に関する交渉が行われる中、約10日間にわたって軍事行動は控えられ、空爆は収まっていた。

 しかし英国に拠点を置くNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、今週に入って交渉は決裂。政府軍は6日に空爆を再開し、民間人40人が死亡した。7日にも同様の攻撃があり、子ども8人を含む民間人30人が死亡した。

 ドゥマのある若い医師は「空爆は止まっていない。負傷者を数えることすらできない」「手術が間に合わず亡くなった負傷者も複数いる」と話した。(c)AFP/Maya Gebeily with Maher al-Mounes in Damascus