■「一つになるために」

 人々は、キング牧師の暗殺、そしてアフリカ系米国人の生活を苦しめている人種差別に怒りを爆発させた。

「キング氏は黒人が白人に腹を立てたり、その逆のことが起きたりするために活動していたのではない。彼は人々を結びつけて、皆が一つになるために働いていた」「皆、彼を愛していた。一部の過激主義団体以外は」

 アフリカ系米国人が営む店や商売が多数集まっているUストリートは、暴動による被害をそれほど受けなかったが、「近くでユダヤ人や白人が経営する店は焼き尽くされた」とリーさん。破壊された店は再開されないケースも多く、暴動の後、「一種の荒廃地域」と化したその場所には麻薬密売人たちが入り込んだ。

 かつては黒人しか住んでいなかったこの地域には現在、白人が多数暮らし、町の雰囲気は大きく様変わりした。今では最新流行のレストランやバー、映画館などがひしめき合っている。リーさんは「地域が向上したのだから、それはそれで良いことだ」と話し、「私は白人に対し何らかの感情を抱いたことはない。私はただ、嫌悪に満ちた人々に心を痛めているだけだ。そういう人々は、この国を分断しようとしている。そのことが気がかりだ」と語った。(c)AFP/Cyril JULIEN