【4月4日 東方新報】「世界自閉症啓発デー」の4月2日、中国でも「あなたがいれば、わたしたちは孤独じゃない」をテーマにしたイベントが、各地で開かれた。

 内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)のフフホト(Hohhot)回民区(Huimin)で1日、自閉症児童のための親子のイベントが開かれた。天愛障害児童リハビリセンターと愛心天使協会と白衣公益協会の共催。

 敏ちゃん(3)は、2歳ごろまではほかの子と同じように、パパ、ママと呼ぶことができ、家族が出かける時には手を振ってバイバイと言えた。

 2歳になると突然、言葉を発しなくなった。家族の呼びかけも聞こえないかのように一人で遊ぶことが多くなった。

「北京(Beijing)、上海(Shanghai)……都会の色々な病院を訪れた結果、自閉症と診断された」。母親の李さんは当時を振り返り、小さくため息をついた。

「大人たちが必死になって、子ども1人の世話をしていた。あの頃は家族全員が大変だった」。敏ちゃんを孤独から救おうと、家族は皆でさまざまな方法を試した。

 リハビリセンターへ来て半年、敏ちゃんにはトレーニングの成果が徐々に現れ、李さんはほっとしたという。「簡単な指示なら分かるようになった。毎日進歩している」と話す。

 天愛障害児童リハビリセンターには、敏ちゃんのような子どもたちがたくさんいる。発育の遅延や自閉症、ダウン症……。多くが貧しい家庭の子どもで、家族は子どものケアのために必死に働き、わが子がほかの子どもと同じように話し、学校に通えるようになるために努力している。

 イベントでは、家族と子どもたちが力を合わせ、これからの生活に対する目標などを披露した。笑い声や、ボランティアのかけ声などが会場に響き渡り、にぎやかにイベントを盛り上げた。

 歌や踊りや詩の朗読など、舞台上の子どもたちが一つ一つ演じ終えると、会場の家族らは大きな拍手と歓声でたたえた。