【3月24日 東方新報】生後間も無く生き別れた双子の姉妹が、36年ぶりに再会を果たしした。

 姉妹は生後16日ごろ、さまざまな理由から中国・杭州市(Hangzhou)西湖区の別々の家庭に、養子として引き取られた。出生記録が記された一枚の紙だけ、二人に残された。

 双子の姉、王慧さん(仮名)は、杭州の富陽南駅の高速バス乗り場に勤めており、妹の呉麗さん(仮名)は杭州交通にそれぞれ勤めている。

■出生記録のある紙片が唯一の手がかり

 今月11日の午後、富陽区城南派出所に勤める趙漢警官(51)は、富陽南駅高速バスの乗り場付近の勤務に当たっていた。休憩中、王さんと世間話をしていた時、王さんは自分に生き別れた双子の妹がいる話をした。

「生後16日に私たち姉妹は離れ離れになって、もう36年も経ちました。お互い会ったことがありません」

 育ての親から、自分が養子だということを聞かされてから、王さんはずっと実の親と妹に会いたいと思い、20年近く探したが見つからなかったという。王さんは、出生記録が記されたたった1枚の紙を見ては、妹がどんな姿かをいつも想像していた。

 事情を知った趙警官は、王さんの話を心に留め、妹探しに協力した。

■「彼女に違いないと直感」

 趙警官は職場に戻り、人探しのためのデータベースを使い、王さんと同年同月に出生した女性を調べると、280人の女性が該当した。さらに、280人の中から王さんに似ている女性を、一人ずつ写真を見ながら探した。

 翌朝、趙警官は150人まで調べ上げた時、呉麗さんの写真を見つけた。「第一印象から鼻、口、輪郭が王さんに似ていて、彼女に違いないと直感した」と話した。また、呉さんが杭州で勤務している点から、36年前の生き別れた背景とも辻褄が合うと思ったという。

 身元を確認した趙警官は、呉さんに連絡を取った。電話口で、呉さんは泣いていた。呉さんは、早いうちから自分が養子だということに気づいていて、自分には双子の姉がいるということも知った。長い間、姉を探していたが、居場所も名前も分からないので、ずっと見つけられなかったという。

■36年の歳月を経て

 呉さんは趙警官の話を聞き、「同年同月に養子手続きがされていて、出生記録が記された紙も持っているなら、彼女は絶対に私の姉です。会いたいです」と、趙警官に頼んだ。

 趙警官が呉さんを探し当てた翌日の12日夕方、姉妹は城南派出所で待ち合わせた。先に派出所に来たのは呉さんで、約束の時間まで「気が気ではなくて落ち着かなかった」。そして、王さんが派出所に到着した。

 本当に姉妹なのだろうか?不安が呉さんと王さん双方にあったが、出会った瞬間に不安はかき消された。二人は抱き合って、泣いていた。

 姉妹は長い間、生き別れになった姉・妹と再会しようと諦めずにいた。「二人は、今まで自分たちがどのように過ごしてきたかを話していました」と趙警官。互いの住んでいる家は、数十メートルしか離れていないことも分かった。

 二人はずっと手をつないでいて、緩めることはなかった。互いに違う生活環境で過ごしてきたが、共通点がたくさんあると感じたという。

 王さんは「とても不思議な感じがしますが、とても暖かく感じる」と話した。二人は「これからは、全力を尽くして実の両親を探す」と話した。(c)東方新報/AFPBB News