【3月29日 東方新報】中国の動画共有サイト、ビリビリ動画(bilibili)が28日、米ナスダック(Nasdaq)市場に上場した。

 陳睿(Chen Rui)董事長が、上場式のスピーチでビリビリ動画の合言葉、「ビリビリ、乾杯!」と叫んだ。式典には、ビリビリのキャラクターに扮(ふん)したコスプレイヤーやファンが集まり、ナスダック取引所前の広場でダンスを踊るなどした。

 今回の新規株価公開(IPO)は4200万株を発行、1株あたりの発行価額は11.5ドル(約1225円)で、4億8300万ドル(約514億5800万円)を調達する。時価総額は約32億ドル(約3409億円)。

「ビリビリ動画は将来さらに大きなプラットフォームになると信じ、体力と知名度を上げるためには上場しなければと考えた」と陳董事長。調達した資金は技術関連のインフラ増設や人材の増員、人工知能(AI)、コンテンツ運営などの強化に当てるという。

 アニメ、漫画、ゲームをコア文化とするビリビリ動画。今では月間アクティブユーザー数7640万人、毎日の平均滞在時間は76.3分、月間アクティブコンテンツクリエイターは20万4000人に上る規模だ。

 ユーザーの80%以上を、9~28歳の若者が占める。陳董事長は「我々のユーザーは将来、中国のエンターテインメント消費の駆動力となり、かつ業界をけん引する世代になるだろう」と話す。
ビリビリ動画の主な収入源は、モバイルゲームや生放送、広告などで、営業収入は2016年の5億2300万元(約88億5500万円)から、17年には24億6800万元(約417億8700万円)に増えている。

 陳董事長は、「ビリビリ動画は、すでに8年の歴史がある。趣味サークルのたった4人の集まりから始まって、上場するまでに発展したのは、中国政府のコンテンツ型プラットフォームに対する許容の態度を表していると思う。上場後はさらに充実したサービスやコンテンツをユーザーに提供したい」と話した。(c)東方新報/AFPBB News