【4月7日 AFP】フランス・パリの中心部に先ごろオープンしたカフェ「ジョワイユ(Joyeux)」は、よく見かけるようなおしゃれな店構えで、ランチタイムには大勢の客であふれている。だが、この店には他にはない特徴がある。料理人や接客スタッフの多くが通常より染色体を一つ多く持っているのだ。

 フランス各地に続々と店舗をオープンさせているジョワイユでは、ダウン症や自閉症、認知障害がある従業員らが働いている。

「ジョワイユ」は「喜ばしい」という意味で、経営者のヤン・ビュカイユ・ランゼラック(Yann Bucaille Lanzerac)氏は、国内に少なくともあと4店舗開業し、喜びを広めたいと話す。障害がある人々に自らの能力を示し、生計を立てる機会を与えたいという。

 シェフ見習いのチャールズさん(36)は自閉症で、レストランで料理を作ることを長年夢に見てきた。

 グルテンフリーのひよこ豆のシチューとオッソブッコ(仔牛すね肉の煮込み)を準備しながら、チャールズさんは「本当に嬉しい」と話す。「皿洗いにはうんざりしていました」

 接客スタッフでダウン症のマチルドさん(20)は、この店のおかげでスキルの幅が広がったという。マチルドさんも準備に携わったグランドオープニングには、ブリジット・マクロン(Brigitte Macron)大統領夫人も訪れた。

「レストランで料理を準備する仕事はしたことがあります。ここではカウンターに立つことができて、それが気に入っています。バリスタとしてコーヒーを淹れる方法や接客の仕方を学んでいます」とマチルドさんは話した。

 ジョワイユは観光客に人気のオペラ座周辺地区にあり、遊び心に満ちている。客がカウンターで注文するとレゴ(Lego)のブロックが一つ渡され、料理と共にそれに合う同色のブロックがもう一つ運ばれてくる。(c)AFP/Pascale JUILLIARD / Fiachra GIBBONS