■「フェイスブックのやめ方」

 しかしアナリストたちは、フェイスブックの多岐にわたるサービスがインターネット世界に複雑に組み込まれているため、これが早急に消滅する可能性は低いとみている。フェイスブックは、ウェブサイト上の「いいね」ボタンやニュース記事へのコメント欄といったサービスを提供している他、非ユーザーを対象にした広告ネットワークなども展開している。

 米シラキュース大学(Syracuse University)のジェニファー・グリギエル(Jennifer Grygiel)教授(コミュニケーション学)は、「(この流れの中、)もちろんフェイスブックを削除する人もいるかもしれないが、本当の意味での削除には、インスタグラム(Instagram)やワッツアップ、メッセンジャー(Messenger)の削除も含まれる。SNSがいかに日常生活に溶け込んでいるかを考えると、大半の人々にとって(完全な削除)は現実的ではない」と述べる。

 いくつかのウェブサイトでは、「フェイスブックのやめ方」についてのコツを公開しているが、その手順は見た目以上に複雑であることも指摘されている。

 フェイスブックでは、一時的にアカウントを停止して後に再開できる「一時停止」と、アカウントとデータを全て「削除」する2つのやり方が用意されている。しかし友達のタイムライン上に残された投稿など一部データは、アカウント削除後もシステムに保存される可能性があるとフェイスブックは説明している。

 また、フェイスブックを長年使っている利用者がアカウントを削除した場合、フェイスブックを通じてログインや認証を行うウェブサイトやアプリの使用に支障が出る恐れもある。

 アカウント削除について情報を公開した米IT系ニュースサイト「ザ・バージ(The Verge)」は、完全に削除されるまでに最大90日かかるとしながら、その間はこれらのデータにアクセスできない恐れがあることを指摘した。そのため、解除手続きの前に、写真や投稿を含むすべての個人情報のコピーをダウンロードするようアドバイスしている。