【3月23日 CNS】中国では、国民は年間3~5本の植樹をする努力することが求められている。1980年代の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で決められた。

 植樹を進める団体「植樹祭」を中心に、学校や労働組合を通して行われてきたが、環境保護への意識を高める一方で時間と労力を要する上、樹木を育てるには専門的な知識が必要だ。

 だが、今ではQRコードをスキャンし、60元(約1007円)を寄付すれば、植樹の責任を果たすことができ、さらに植樹をしたという証明書を取得できるようになった。

 中国緑化基金会は、インターネットを活用した植樹活動を進めるため、国民に環境保護や低炭素社会の実現、貧困削減など公益的な理念を呼びかけている。これまでに約57万人から1044万元(約1億7529万円)の寄付金が集まっている。寄付金は甘粛省(Gansu)、寧夏回族自治区(Ningxia Hui Autonomous Region)、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)などの地域の貧困対策や造林に使用される。

■最前線はアリペイ上の「アントフォレスト」

 アリペイの利用者は、オンライン決済やチケット購入などでエコポイントが加算され、「仮想の木」を育てることができる。木が成長すると、公益組織にユーザー名義で本物の樹木を植えられる仕組みだ。

 2017年末までに、モンゴルとの国境付近にあるアルシャー盟(Alxa League)、オルドス(Ordos)、甘粛省の民勤県(Minqin)などに計1314万本の樹木を植え、119.8ヘクタールの土地を確保している。

 面積が広く人口を多く抱える中国は、資源や環境に与えるプレッシャーは大きい。2018年の政府報告では、生態系の保護と復旧を強化し、約99万 ヘクタールの植林を行う必要があると指摘している。(c)CNS/JCM/AFPBB News