【3月14日 CNS】中国商務部の鐘山(Zhong Shan)部長は11日、北京(Beijing)で行われた記者会見で、「中国人の1年間の海外での消費額は約2000億ドル(約21兆3500億円)もある。今後は流通のイノベーションと質の高い供給を整え、国内の消費の拡大を目指す」と述べた。

 鐘山部長は、中国の消費規模は世界2位になり、GDP成長に占める消費の割合が4年連続でトップを保っていると指摘。中国経済の成長は、投資と輸出に依存していた構造から、消費・投資・輸出が連動する構造に転換している。

 一方で鐘部長は、中国の消費の発展の弱点として、「商品とサービスの供給が消費者ニーズの変化に追いついていない」ことを挙げた。中国人が海外で購入する物の中には、高級品だけでなく日用品も含まれており、国内の良質な商品供給が不足していることや、価格が高いことが背景にある。

 鐘部長は、国内消費拡大のための今後の具体目標として、以下の3点を挙げた。

 一つ目は、「プラットフォーム構築による消費の促進」。都市部に高品質の商品を取りそろえた商店街を整備し、消費だけでなく都市の品格も向上させる。コンビニ、市場などの商業網の配置を最適化し、徒歩15分圏内に生活に必要なサービスを充実させる。農村部には特色のある商業施設と生活サービスセンターの建設を急ぎ、Eコマース展開やオンラインとオフラインの融合を進める。

 二つ目は、「規制緩和を通じた消費の促進」。市場参入規制を大幅に緩和し、自動車や一部の日用品などの輸入関税を引き下げる。通信事業、医療、教育、高齢者向けなどのサービス業も開放を進め、国内市場の供給を増やす。

 三つ目は、「環境の改善による消費促進」。国内の都市部と農村部の消費環境、特にインターネットと農村市場の環境改善に取り組む。重要な農産品の追跡システムを構築し、国民に安全・安心な消費環境を提供する。(c)CNS/JCM/AFPBB News