【3月13日 AFP】ミャンマーでイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が迫害されている問題をめぐり、交流サイト(SNS)大手の米フェイスブック(Facebook)が批判の矢面に立たされている。ミャンマーのユーザーらによるロヒンギャに対するヘイトスピーチ(憎悪表現)がサイト上にあふれかえり、国連(UN)からもその拡散を助長していると指摘されたためだ。同社は13日、対策に「真剣に」取り組んでいると弁解に追われた。

 50年に及んだ軍政から民政に移管して間もないミャンマーだが、国民の間でフェイスブックは急速に普及している。国軍が昨年8月に開始したロヒンギャ掃討作戦は国際社会からは非難を浴びたが、仏教徒が大多数を占めイスラム嫌悪が根強い国民からは広く支持されており、フェイスブックではロヒンギャに向けられた扇動的なコメントの投稿が後を絶たない。

 ロヒンギャに対する虐待の実態を調べている国連調査団のマルズキ・ダルスマン(Marzuki Darusman)団長は12日、国連人権理事会(UN Human Rights Council)で「ソーシャルメディアにはヘイトスピーチや扇動表現がまん延している。それは特にフェイスブックに顕著だ」と報告した。

 国連の李亮喜(イ・ヤンヒ、Yanghee Lee)特別報告者も記者団に、フェイスブックはロヒンギャをはじめとする少数民族に対する暴力と憎悪をあおっていると述べ、同サイトが「ひどく厄介なもの」になってしまったのではないかと懸念を示した。

 国連の批判に対し、フェイスブックの広報担当者は13日、「当社はこの問題を深刻に受け止めており、この数年、ミャンマーの専門家と協力して安全のためのリソース開発とヘイトスピーチ対策を講じてきた」と反論。今後も現地の専門家とともにユーザーがフェイスブックを安全に利用できるよう取り組んでいくと表明した。(c)AFP