【3月13日 AFP】中国が大気汚染との戦いで「勝利」しつつあるとみられ、大きな進歩を遂げたことで平均余命が2年以上伸びる可能性もあることが、米シカゴ大学(University of Chicago)が12日に発表した研究結果で明らかになった。

 中国政府は、一部地域で平均余命を短縮する要因となっているスモッグ対策に取り組む一方、市民の間では大気汚染のピーク期間にマスクや空気清浄機を購入して自己防衛策を取る動きが広がっている。

 その一方で、シカゴ大学による研究結果は、国内外の環境基準を満たすまでの道のりは長いものの、中国が「汚染に対する戦いに勝利しつつある」ことを示唆するものだったという。

 2013~2017年に中国各地200以上の観測装置で得られた日々のデータに基づいた分析で、都市部での微小粒子状物質PM2.5のレベルがわずか4年で平均32%削減されたことが判明。

 PM2.5は心臓疾患や脳卒中、肺気腫や肺がんの一因になることから、もしこのレベルが維持されるならば、中国国民の平均余命は2013年に比べて2.4年伸びるとみられるという。

 この研究を実施したシカゴ大学エネルギー政策研究所(Energy Policy Institute)の所長で経済学者のマイケル・グリーンストーン(Michael Greenstone)氏は、「これほど急速に大気汚染の削減を成し遂げた国は歴史上例がない。素晴らしい」と語った。

 グリーンストーン氏はまた、「この4年間がかなりはっきりと実証したことは、状況は変え得るし、しかも急速に変わり得るということ。必要なのは政治の意志だけだ」と強調した。(c)AFP/Becky Davis