【3月9日 AFP】1937年、世界一周飛行中に太平洋上で消息を絶った米国の女性飛行士、アメリア・イアハート(Amelia Earhart)をめぐり、南太平洋の島で見つかっていた骨の測定値を再調査したところ、イアハートのものである可能性が高いことが米大学の調査で明らかになった。

 テネシー大学(University of Tennessee)のリチャード・ジャンツ(Richard Jantz)名誉教授(人類学)が現代の技術で骨の計測分析を行った結果、イアハートの骨とみられることが分かったという。

 ナビゲーターのフレッド・ヌーナン(Fred Noonan)と共にイアハートが消息を絶った出来事は航空史上最大の謎の一つで、長年にわたり歴史家たちが2人の行方の解明に情熱をそそいできた。さまざまな説が浮上し、本や映画の題材にもなった。

 1940年にキリバスのニクマロロ島(Nikumaroro Island)で、頭蓋骨などの人骨、女性用の靴のソールの一部、六分儀を入れる箱、ベネディクティン酒の瓶が発見された。

 骨はフィジーに運ばれ、1941年に解剖学教授のデービッド・W・フッドレス(David W. Hoodless)博士が鑑定し、がっしりした体格の男性のものだとしていた。その後、この骨の行方は分からなくなっている。

 ジャンツ氏は、骨格測定を基に性別や系統、身長を推定することができる「Fordisc」というコンピューター・プログラムを用い、過去にフッドレス氏が行った頭蓋骨、脛骨(けいこつ、向うずねの骨)、上腕骨、とう骨(前腕の2本の骨のうち親指側にある短いほうの細長い骨)の7つの測定値について再調査した。

 これらの骨の測定値をイアハートの写真や服を基に算出した骨の寸法と比較したところ、これらの骨は対照した膨大なサンプルの99%よりもイアハートの骨に似ていることが分かったという。

 ジャンツ氏は、「このことはニクマロロの骨がアメリア・イアハートのものであるという結論を強く支持している」と述べた。

 歴史的航空機の発見を目指す国際グループ「TIGHAR」と共同で行われた今回の研究成果は今週、法医学誌「フォレンシック・アンソロポロジー(Forensic Anthropology)」に掲載された。(c)AFP