【12月21日 AFP】第1次世界大戦(World War I)初期にパプアニューギニア沖で忽然(こつぜん)と姿を消したオーストラリア海軍初の潜水艦について、豪当局は21日、ついに残骸が見つかったと発表した。「103年の時を経て、わが海軍最古の謎がようやく解けた」とマリス・ペイン(Marise Payne)豪国防相は記者団に語った。

 今回見つかった潜水艦「AE1」は、豪海軍のため建造されたE級潜水艦2隻の第1号。1914年2月に英ポーツマス(Portsmouth)で就役し、5月にシドニーに到着。ドイツ領ニューギニア攻略作戦に参加したが、同年9月14日に豪、英、ニュージーランド出身の乗組員35人と共にパプアニューギニアのデュークオブヨーク諸島(Duke of York Islands)近海で消息を絶った。

 AE1は第1次世界大戦における連合国側初の喪失艦となり、その失踪は豪海軍史上最古の謎とされてきた。

 しかし、先週始まった13回目の捜索活動で、AE1の残骸は行方不明になった海域の水深300メートル超の深海で見つかった。今回の捜索では、2014年のマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便失踪事件でも捜索に当たった調査船「フグロ・エクエーター(Fugro Equator)」が投入された。

 ペイン国防相は、この発見によってAE1が沈没した原因の解明が進むことを期待しているとコメント。豪政府としてパプアニューギニア政府と連携して現場を保存し、AE1と乗組員の慰霊式を行う方針を示した。(c)AFP