■富豪ベレゾフスキー氏とパタルカツィシビリ氏

 リトビネンコ氏と親しかったロシア人富豪ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky)氏も、2013年にロンドン郊外の高級住宅街アスコット(Ascot)の自宅で不審死を遂げている。

 ベレゾフスキー氏はバスルームで倒れているところを同邸に勤めていたスタッフによって発見された。検視では、首をつって死亡したとされたが、死因審問では不明と記録された。

 2008年にはベレゾフスキー氏のビジネスパートナーだったグルジア(現ジョージア)の富豪バドリ・パタルカツィシビリ(Badri Patarkatsishvili)氏(当時52)もロンドン南部で遺体で発見されている。死因は心臓発作とされたが、プーチン氏と敵対していたこと、グルジアでの政治キャリアが物議を醸してきたことなどから殺害されたとの疑いが浮上した。

■実業家アレクサンデル・ペレピリチニー氏

 2012年にはロシア人実業家のアレクサンドル・ペレピリチニー(Alexander Perepilichny)氏(当時44)がロンドンの自宅前で遺体で発見された。当初は心臓発作による自然死だと考えられたが、警察には徹底的な捜査を求める1通の手紙が届いた。

 送り主はロシアとの関係が深いヘッジファンド「エルミタージュ・キャピタル(Hermitage Capital)」で、その内容はペレピリチニー氏が大きな国際犯罪に関与していたとするものだった。また同氏が事件に関する「重要な証拠書類」を提供したともしていた。

 ペレピリチニー氏の死から2年後、同氏の保険会社が指示した検査で、胃の中から有毒植物ゲルセミウムの毒素が検出されたが、死因は現在も確定されていない。2017年には米情報当局が、ペレピリチニー氏は「プーチン氏か彼の側近からの直接の命令によって暗殺された」との見解を表明した。(c)AFP