【3月6日 AFP】(更新)スリランカで6日、反イスラム暴動により少なくとも2人が死亡、多数のモスクや住宅が破壊されたことを受け、事態鎮静化のために全土に非常事態宣言が発令された。

 暴動が発生した中部キャンディ(Kandy)県では、警察が外出禁止令を出した一方、ラウフ・ハキーム(Rauff Hakeem)都市開発・上下水道相は「閣議において、全土での10日間の非常事態宣言を含む、強硬な措置を取ると決まった」と述べた。

 高原地帯に位置し観光客にも人気のあるキャンディでは、暴徒が夜間の外出禁止令を無視したことを受け、政府が武装した警察部隊を同地に展開。また、焼けた建物からイスラム教徒の男性の遺体が収容されたため、キャンディ県の外出禁止令は延長された。

 スリランカ全土では宗教を異にする集団間の緊張がここ数週間で高まっており、さらなる悪化が懸念されている。

 同国内で非常事態宣言が発令されたのは7年ぶり。2009年に終結した反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」との内戦の際、同国は30年近くにわたって非常事態が敷かれた。(c)AFP