【3月5日 AFP】南太平洋のパプアニューギニアで先月発生したマグニチュード(M)7.5の強い地震で、少なくとも67人が死亡していたことが分かった。赤十字(Red Cross)が5日、明らかにした。現地では強い余震が続く中、多くの住民が避難生活を余儀なくされており、食料や清潔な水も不足しているという。

 同国では先月26日未明、エンガ(Enga)州ポルゲラ(Porgera)の南約90キロの地点を震源とする大きな地震が発生。救援部隊が孤立した集落へ向かっているが、道路が寸断されたり停電が発生したりしているため、復旧作業は思うように進んでいない。

 また、サザンハイランド(Southern Highlands)州やエンガ州、ヘラ(Hela)州などでは5日に発生したM6.0の地震を含む強い余震が続いており、住民は不安な日々を過ごしている。

 さらに、米石油大手エクソンモービル(ExxonMobil)が操業する天然ガス施設は、修理のため最大8週間にわたり操業が停止される。貧困国として知られるパプアニューギニアの天然ガスプロジェクトは同国最大の開発事業で、影響が懸念されている。

 パプアニューギニア政府は死者数を明らかにしていないが、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のウダヤ・レグミ(Udaya Regmi)パプアニューギニア代表はAFPに対し、「2日に行われた災害当局などの報告によると、死者数は67人だ」と明らかにした。

 またレグミ代表は、「家屋が全壊、または一部が損壊して住めなくなったことが原因で14万3000人近くが影響を受け、1万7000人が避難生活を送っている」と語った。

 地元紙ポストクリエ(Post Courier)によると、オーストラリアとニュージーランド両軍が救援物資の輸送を開始し、中国赤十字(China Red Cross)と中国政府は資金援助を申し出ているという。(c)AFP