【3月4日 AFP】西アフリカ・ブルキナファソの首都ワガドゥグで発生したフランス大使館と軍本部の同時襲撃事件で3日、国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」系のイスラム過激派組織が犯行声明を出した。

 ブルキナファソ政府によると、2日に発生したこの襲撃で、兵士8人が死亡した。フランスの治安筋によると、さらに12人が重傷を負った。

 一方、襲撃犯側は8人が死亡した。このほか民間人を含む80人が負傷した。別の治安筋がAFPに語ったところによると、フランス大使館前で襲撃者4人、軍本部前で4人が射殺されたという。

 政府によると、軍本部に対する攻撃は自動車爆弾を使った自爆攻撃だった。軍本部で開催される地域のテロ対策会議を狙っていたとみられている。

 イスラム過激派組織「イスラムとイスラム教徒の支援グループ(GSIM)」が、モーリタニアに拠点を置く通信社アルアハバル(Al-Akhbar)を通じて今回の同時攻撃の犯行声明を出した。

 マリ人のイヤド・アグ・ガリ(Iyad Ag Ghaly)容疑者が率いるGSIMはアルカイダと提携し、これまでにも紛争の絶えないサヘル地域で起きた複数の攻撃の犯行声明を出してきた。

 GSIMは、ワガドゥグで起きた今回の襲撃を「マリ北部で2週間前にフランス軍の急襲によって」同組織の複数の幹部が死亡したことへの報復だとしている。フランス軍筋によると、この急襲でイスラム過激派約20人を「殺害または拘束」したという。

 襲撃されたワガドゥグの軍本部ではブルキナファソ、チャド、マリ、モーリタニア、ニジェールのサヘル5か国(G5 Sahel)の当局者が、イスラム過激派対策のために兵士5000人を訓練して今月末までの実戦配備を目指すことについて会議を開く予定だった。

 しかしクレモン・サワドゴ(Clement Sawadogo)公務員・労働・社会保障相によると、サヘル5か国会議の開催地は土壇場になって変更された。

 ブルキナファソで活動する保安コンサルタントのポール・コアラガ(Paul Koalaga)氏は、ホテルや飲食店のような警備の手薄な「ソフトターゲット」に続き、今回の襲撃では警備の厳重な「ハードターゲット」が狙われたと述べ、「情報機関レベルの問題」があるようだと指摘した。(c)AFP