【2月27日 AFP】自然災害などで世界の作物品種の種子が絶滅するのを防ぐため北極圏のノルウェー領スバルバル諸島(Svalbard Islands)に設置された種子貯蔵庫は26日、開設から10年を迎え、これまでに持ち込まれた種子が100万種を超えたと発表した。

 2008年2月26日に開設されたスバルバル世界種子貯蔵庫(Svalbard Global Seed Vault)は山の地下に位置し、種子の「ノアの箱舟」とも言われる。種子の最大貯蔵能力は45億セット。

 26日は新たにササゲ、バンバラマメなど7万6000以上の種子のサンプルが加わり、これまでに持ち込まれた種子は計105万9646種となった。施設はノルウェーにあるが、種子の所有権は預け入れた国家や機関にあり、いつでも持ち出すことができる。

「地球最後の日に備えた貯蔵庫」と呼ばれるスバルバル世界種子貯蔵庫は、「時の試練や天災・人災に耐え、何らかの非常事態の際にも種子の確保を可能にする貯蔵施設」を提供するために建設された。

 ノルウェーのヨン・ゲオルグ・ダーレ(Jon Georg Dale)農業・食料相は「100万種以上の種子が永久貯蔵のためにこのドアを通ったことをお知らせできるのは非常に喜ばしい」と述べた。

 戦闘が続いていたシリア・アレッポ(Aleppo)に同地の作物を再導入するため種子が持ち出されたため、現在、施設に貯蔵されている種子は96万7216種となっている。(c)AFP