【12月21日 AFP】熱心なキリスト教信者のオランダ人男性が、マヤ暦から導き出された「世界終末の日」とされる21日に聖書に書かれた大洪水が起きると信じ、現代版「ノアの箱舟」を用意した。

 この男性はオランダ中部コートウェイケルブルク(Kootwijkerbroek)に住むピーター・フランク・ファンデルメール(Pieter Frank van der Meer)さん。ファンデルメールさんは20日、オランダ紙フォルクスクラント(Volkskrant)の取材に「マヤの人々は決してクレージーではない。聖書の予言をよく読めば『山々がろうのように溶ける』と書かれている」と語った。

 大洪水を生き延びるため、ファンデルメールさんは、ノルウェー製のオレンジ色の救命艇を1万3000ユーロ(約144万円)で購入。内部を改造してトイレやキッチン、チャイルドシートを備え、食料も準備した。

 ファンデルメールさんの主張によると12月21日、太陽系の惑星の配置により大量の宇宙エネルギーが放出され、これが太陽活動を活発させる。

「太陽で何が起きるのか正確に説明するのは難しいが、恐らく巨大な太陽フレアが発生するだろう」(ファンデルメールさん)

■35人が予約

 これにより津波、つまりは第2の「大洪水」が起こるのだという。あるいは巨大地震が起きる恐れもあるため、ファンデルメールさんは家族とともにテントを張る場所に速やかに移動できるよう、中古のジープも買った。

「箱舟」の定員は50人で、これまでに35人から予約申し込みがあったという。ファンデルメールさんが住むコートウェイケルブルクから海までの距離は約20キロだ。

 オランダテレビのキリスト教チャンネル「De Vijfde Dag(第5番目の日)」によると、箱舟にはファンデルメールさんの子どもや孫たちも乗り込む予定だ。

「箱舟」に2匹の愛犬は乗れないが、ファンデルメールさんの息子のピーター(Pieter)さんは金属の棒で補強したプラスチックボックスを手に入れ、中には干草と餌も入れた。ピーターさんは「これで、彼ら(犬たち)もきっと大洪水を生き延びられる」と言うが、残念なことにファンデルメール家で飼われているヤギたちは天命に身をゆだねるしかないという。

「世界の終わりは深刻だ」とファンデルメールさんはオランダ大衆紙アルヘメン・ダフブラット(Algemeen Dagblad)に語った。「しかし、その後には素晴らしいことがやってくる」(c)AFP