空巣青年は、主に北京(Beijing)、上海(Shanghai)や深セン(Shenzhen)といった主要都市に暮らす、「80後(80年代生まれ)」「90後(90年代生まれ)」と呼ばれる若者たちを指す。こうした若者の多くは仕事のために故郷を離れ、一人暮らしをしている。

 中国青年報(China Youth Daily)が去年行った空巣青年に関するアンケートによると、回答者の64.3%が「空巣青年が身近にたくさんいる」と答えた。また、空巣青年が抱える問題としては、「心のよりどころがない」(57.9%)、「居住環境が悪い」(57.8%)などが挙げられた。また、空巣青年という表現は「生活だけでなく、心の状態も表している」と感じている人が回答者の55.1%に上った。

 猫と暮らすカレンさんは、決して人とのコミュニケーションが苦手なわけではないが、「孤独を感じる時もある」と話す。「友達に話すこともあるけど、それでは解決できない。自分で耐えるしかない」と。猫を飼い始めてからは、恋愛や結婚に対する考え方が変わったという。「例えば寂しい、ただ誰か一緒にいて欲しいというだけで恋愛をすることはなくなった。単純に結婚のために恋愛をするなどといった考えも、もうない」と話す。

 カレンさんのように実際に猫を飼う人もいれば、「雲養猫」といって、インターネット上で猫の写真や動画などを鑑賞して、猫を飼いたいという望みをかなえようとする人もいる。

 また、猫を飼うゲームや、猫のブリーダーになるゲームなどといった携帯アプリなども登場している。アプリ内に生息する「仮想猫」のブリーダーになるゲームは、アプリ制作会社の公式データによると、これまで790万ドル(約8億5011万円)売り上げており、7万匹以上の「仮想猫」が売れているという。(c)東方新報/AFPBB News