【2月17日 AFP】平昌冬季五輪の本番直前にコーチが離脱して出場が危ぶまれていたジャマイカのボブスレー女子チームの救済に、母国のビール会社が乗り出したことが判明した。五輪デビューを翌日に控えたチームの広報担当者は16日、AFPに対して、この会社からそりの寄付があったことは事実と認めた。

 ドライビングコーチを務めていたサンドラ・キリアシス(Sandra Kiriasis)氏が辞任してそりの使用料を支払うように求めていたと報道されていたなか、レッドストライプ(Red Stripe)社がジャマイカのボブスレー女子チームに手を差し伸べた。

 救世主の登場でチームは無事に五輪デビューを果たせることになり、17日に行われる公式練習でオリンピックスライディングセンター(Olympic Sliding Centre)の1376メートルに及ぶ氷上コースを初めて滑ることになった。

 レッドストライプ社は最初にツイッター(Twitter)でそりの提供を申し出ると、「これはジョークではない」と明言。発表された声明では、「五輪で戦うことは名誉なこと。ジャマイカのナンバーワンビール会社として、アスリートたちの夢をかなえる手助けをしたい」と述べた。

 ボブスレー女子2人乗りに出場するジャマイカのキャリー・ラッセル(Carrie Russell)とジャスマイン・フェンレーター(Jazmine Fenlator-Victorian)にとって、この数日間はジェットコースターのような展開となった。2014年ソチ冬季五輪では米国代表として出場した経験を持つフェンレーターは先日、黒人の子どもたちにとってロールモデルになれて喜んでいると涙を流していた。

 ジャマイカは30年前の1988年に行われたカルガリー五輪でボブスレー男子チームが初出場を果たし、1993年の映画『クール・ランニング(Cool Runnings)』のモデルにもなった。(c)AFP