少女アイドルに熱中する日本 「崇拝」か「小児性愛」か
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■18歳で価値が下がると少女たちに思わせる社会
男性客に10代の少女と「散歩」するなどのサービスを提供するいわゆるJK(女子高生)ビジネスが日本では買春の温床になっているが、警察は一掃できずにいる。
幼い少女が小さな水着などを着てポーズを取る疑似ポルノ「着エロ」画像も法の網をかいくぐり、インターネット上で容易に見つけることができる。
子ども虐待、性犯罪をなくす会「Think Kids(シンクキッズ)」代表理事で弁護士の後藤啓二(Keiji Goto)さんは、これは法的な問題というよりも社会の問題だと主張する。多くの日本人は幼い少女を性的な対象として見ることをタブーとはせず「グレーぐらいに」しか考えていないと話す。
もちろん、子どもが性の対象にされるという問題を抱える国は日本だけではない。
米国では、子どもの美人コンテストや、こうしたコンテストの様子を追跡するリアリティー番組「Toddlers and Tiaras(子どもとティアラ)」におけるハイパー・セクシュアライゼーション(Hyper-sexualisation、子どもの性的特徴を過度に強調すること)に対し懸念が生じている。フランスでは2010年、米ファッション誌ヴォーグ(Vogue)に10歳の子どもの扇情的な写真が掲載され議論が巻き起こった。これを受け議会は、13歳未満の少女を対象とした「ミニミス」コンテストを禁止する法案を2014年に可決している。
しかし、日本ではこうした問題について公の議論がほとんど行われていない。
小児性愛者の治療も行う精神科医の福井裕輝(Hiroki Fukui)氏は、日本では潜在的な性犯罪者から子どもを守らなければならないという意識が「本当に希薄だ」と指摘し、「日本の状況は普通ではないんだと理解し、変えるべきは変えていく必要がある」と話す。
人身取引や性的搾取の被害者支援を行うNGO「ライトハウス(Lighthouse)」代表、藤原志帆子(Shihoko Fujiwara)さんは、少女たち自身の考え方に与える影響について警鐘を鳴らす。「自分が18歳になると価値が下がるから、お客さんが今自分に夢中なのは自分が子どもだからだろうな」と、日本の社会が彼女たちにそう思わせてしまうというのだ。
「子どもにそんな価値観を植えつける社会に、本当の意味で子どもを守ることはできません」 (c)AFP/Harumi OZAWA