【2月14日 AFP】ロシアの首都モスクワ近郊で旅客機が墜落し、乗客乗員71人全員が死亡した事故で、ロシア当局は13日、飛行速度を測定する計器が凍結し、速度情報が誤って表示されていたことが事故原因である可能性があると明らかにした。

 11日に起きたこの事故では、サラトフ航空(Saratov Airlines)のアントノフ(Antonov)An-148型機がウラル(Ural)山脈のオルスク(Orsk)に向けてモスクワのドモジェドボ空港(Domodedovo Airport)を離陸した直後に、モスクワの南東およそ70キロにあるラメンスキー(Ramensky)の原野に墜落。搭乗していた乗客65人と乗員6人の全員が死亡した。

 航空機の事故の調査に当たる航空委員会(IAC)によると、飛行中に異常な状況が生じた要因として「暖房システムが停止していた間に、(速度測定に使用される)ピトー管が凍り、速度計に表示される飛行速度のデータが誤っていた可能性」がある。

 IACは事故機のフライトレコーダーの解析を終了。今後、操縦室の会話を録音したブラックボックスを解析し、ピトー管の調査も行うとしている。

 ニュースサイト「RBK」は13日、関係筋の話として、事故機がドモジェドボ空港に駐機していた際、機長が解凍措置を拒否したと報じた。ロシア紙コメルサント(Kommersant)はこれに先立ち、事故当時は気温が比較的高かったことから解凍措置は必須ではなかったと伝えている。(c)AFP/Maria ANTONOVA