【2月11日 AFP】北朝鮮メディアは11日、平昌冬季五輪でスイスとの初戦に臨んだアイスホッケー女子の南北合同チームと、韓国に送り込んだ「美女応援団」を大々的にたたえる報道をしたが、試合で0-8の惨敗を喫した結果については言及しなかった。

 北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は、試合結果よりもチームと北朝鮮の応援団にフォーカスし、「選手たちの登場と応援団の見事な姿は、観客に強い印象を与えた。朝鮮は二つに分かれては生きられない一つの国家である」と伝えると、南北双方の観客が「熱烈で温かい拍手と声援で選手を後押しし、選手も巧みにパックを操り、同じ言語で声を掛け合いながら協力して戦った」と続け、放送時間内で惨敗を伝えなかった。

 南北合同チームの結成は27年ぶりで、五輪の出場は初めてということで、10日に行われた予選ラウンドの試合はスポーツイベントであると同時に政治行事であり、韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領にとっては「五輪を通じた平和」の願いの象徴だった。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の妹である金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-Jong)氏と金永南(キム・ヨンナム、Kim Yong-Nam)最高人民会議常任委員長は、文大統領とともに試合を観戦した。

 南北合同チームは、韓国の選手23人、北朝鮮の選手12人で構成され、試合の登録選手22人に最低3人は北朝鮮の選手を含めることが義務づけられている。しかし大会直前に結成された合同チームは、韓国では支持を得られておらず、文大統領にも、選手を政治の道具に使っている、韓国の選手が五輪に出場する機会を奪ったなどの批判が広がっている。(c)AFP