【2月8日 AFP】米カリフォルニア州の洋菓子店が同性カップルにウエディングケーキの販売を拒否したことをめぐる裁判で、同州中部ベーカーズフィールド(Bakersfield)の裁判所は今週、洋菓子店側にはケーキの注文を拒否する権利があるとの判断を示した。現在、米連邦最高裁判所でも同様の裁判が進められており、判決の行方が注目されている。

 ベーカーズフィールドは保守的な土地柄で知られる。裁判所は5日、店側には同性カップルのために特別に注文されたケーキを作ることを拒否する権利があるとの判断を示した。

 判決文は、「店側は人種、宗教、ジェンダー(社会的性別)、あるいは性の同一性を理由に、商品の陳列や販売、店舗の開店を拒否することはできない」とした一方、「今回の裁判では、まだケーキが制作されていない点が異なる」と指摘。

 ケーキ職人に対し「自分の作品が自らの宗教的信条に反する結婚を祝う会で展示されることを知らせず、その才能を発揮してケーキをデザイン・制作させる」ことは、合衆国憲法修正第1条が保障する言論の自由の侵害に当たると判断した。

 米メディアによると、渦中の洋菓子店を経営するキャシー・ミラー(Cathy Miller)さんは、この判決を受けて「とてもうれしい」と語ったという。

 一方、ケーキの注文を拒否されたアイリーン・ロドリゲス(Eileen Rodriguez)さん、ミレーヤ(Mireya Rodriguez)さんカップルは、同性カップル向けのケーキを特注しようとしたわけではないと主張している。

 2人は2017年8月、結婚式用のケーキを試食するため店を訪問。特別なデコレーションのない既製のケーキを注文することを決めた。しかし、注文のため店を再訪したところ、ミラーさんは宗教上の理由から同性婚は認められないと述べ、2人に別の洋菓子店を紹介したという。

 この裁判とは別に、米最高裁でもコロラド州の洋菓子店が宗教的信条を理由に同性カップルへのウエディングケーキ制作を拒否したことをめぐる裁判が争われており、年内にも判決が出る予定となっている。(c)AFP