■母国の誇り

 もともとフィギュアスケートをやっていたマリッサは、ハンナと張り合う方法の一つとして、妹と同じアイスホッケーに転向した。24歳のハンナが「私たちはいつも親友でしたし、何もかも一緒でした」と話したように、2人は同じチームでプレーし、それは別々の大学に通うまで続いた。

 しかし、韓国が冬季五輪の開催国として恥をかかないように大急ぎで代表チームの強化を図る中、大韓アイスホッケー協会(KIHA)が北米中の大学で韓国系の選手をスカウトし始めると、姉妹の道はさらに違う方向に分かれることになった。

 国際アイスホッケー連盟(IIHF)が行った昨年の調査によると、韓国国内では女子アイスホッケーの登録選手が319人しかおらず、有力候補に挙げられたマリッサは、2015年に同国代表のトライアウトに招かれた。

「わくわくすると同時に興味津々でもありましたが、緊張していましたし、どうなるか想像できませんでした」と生まれ故郷の文化や言葉も知らないまま、養子になってから初めて韓国に戻った当時を振り返るマリッサは、代表入りを果たした翌年、韓国のパスポートと、養子縁組の書類に記載されている韓国名の「パク・ユンジョン(Park Yoon-Jung)」の文字が入ったユニホームを受け取った。

「背中に韓国名が入ったユニホームを着ることを選びました。なぜなら、それが私にとって韓国との唯一の結びつきだったからです」

 この3年間、マリッサは生まれ故郷と再び結びつくための旅路を続け、今ではプルコギやギョーザを食べに行くことが好きになり、ロッカールームではチームメートとKポップを大音量で聴くようになったという。

「自分のことは韓国系米国人だと考えています。以前は、米国人としか考えていませんでした。今では韓国人であることが誇りだと言えるようになりました」