【2月3日 AFP】ロシアは2日、第2次世界大戦(World War II)のスターリングラードの戦い(Battle of Stalingrad、1942~1943)の勝利から75年を迎えた。現地で行われた記念行事には4期目の大統領の座を目指すウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領も出席した。

 プーチン大統領は空路でボルゴグラード(Volgograd、旧スターリングラード)入りした。同地では兵士約1500人、装甲車、ジェット機が参加する軍事パレードが行われ、氷点下の寒さの中、厚着をした見物客たちが集まった。

 ボルガ川(Volga River)が流れるスターリングラードで繰り広げられたこの戦いは史上最も凄惨(せいさん)な戦いの一つとされる。この戦いでソ連はナチス・ドイツ(Nazi)に圧勝。ロシアではこの勝利がアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)から欧州を救ったとたたえられている。

 プーチン氏はボルゴグラード交響楽団による記念コンサートに集まった退役軍人らを前に「スターリングラードの守護者たちはわれわれにすばらしい遺産を残した。祖国への愛、祖国の国益と独立を守り、いかなる試練に対しても断固として立ち向かっていく覚悟だ」と語り、先人たちの例に倣うよう呼び掛けた。

 ロシアの政治アナリスト、コンスタンティン・カラチェフ(Konstantin Kalachev)氏は、近年ロシア政府は愛国心をかき立てるため第2次世界大戦でのソ連の勝利と犠牲をことさら強調する傾向を強め、愛国心が国家のイデオロギーのようになっていると指摘し、欧米との関係が冷戦(Cold War)後で最も冷え込んでいるなかロシア政府は肯定的なシンボルを必要としており、戦勝記念日は「自国は結果を出す能力があり、どんな敵でも倒せるというイメージの宣伝」に使われていると述べた。(c)AFP/Maria PANINA