【1月31日 AFP】中国との国境に近いロシア極東で、およそ1トン分ものクマの手や、絶滅が危惧されるアムールトラ(シベリアトラ)少なくとも4頭の一部などを所持していたとして、ロシア人と中国人からなる密輸グループが摘発されたことが分かった。野生動物保護団体が30日に明らかにした。

 シベリア東部の野生のトラを保護しているロシアのNGO「アムールトラ・センター(Amur Tiger Centre)」によると、密輸業者らは、クマの手870個やアムールトラの骨などを車3台に載せて運んでいたところをロシアの税関当局によって発見され、逮捕された。

 そのほかにクマの歯、シカの尻尾や陰茎といった動物の一部、武器や弾薬、琥珀(こはく)なども押収された。

 アムールトラ・センターによると、密輸業者らは凍ったハンカ湖(Lake Khanka)を越えて中国に入ろうとしていたもようだという。

 中国はトラやクマ、ゾウ、サイ、センザンコウなど絶滅危惧種や保護種の部位が取引される一大市場となっている。同センターのセルゲイ・アラミレフ(Sergey Aramilev)所長は「動物の部位は中国の春節(旧正月)が近付くと密輸が活発になる」と指摘している。今年は2月16日が春節に当たる。

 アムールトラはネコ科の動物の中で最も大きく、野生では中国とロシア、北朝鮮に350頭ほどしか生息していない。(c)AFP