【1月30日 AFP】英国のEU離脱(ブレグジット、Brexit)において、欧州連合(EU)とどのような合意に至ったとしても不利な結果を招くとする内部報告書が漏えいしたことを受け、同国政府が最新の分析を公開するよう圧力を受けている。

 ニュースサイトのバズフィード(BuzzFeed)は30日、EU離脱担当省のために作成された経済面での影響評価では、さまざまな可能性を考慮したシナリオの下で英国の経済成長率の低下が示されていると報じた。

 バズフィードによると、2018年1月付の「EU離脱分析」と名付けられた報告書は、ブレグジットにおいて最もあり得る3通りのシナリオを分析。英国が欧州単一市場に留まった場合、現在の予測と比較して、今後15年間の経済成長率は2%下がると指摘している。またEUとの自由貿易協定の下では5%減少し、EUとの間で「合意なし」に至り世界貿易機関(World Trade Organization)のルールに戻った場合、8%の減少となるとした。

 その一方、EU離脱の是非を問う2016年の国民投票以来、英国がEUとの密接な関係を維持するためのロビー活動を行っている団体「オープン・ブリテン(Open Britain)」のメンバーである、野党労働党のクリス・レスリー(Chris Leslie)議員は、分析結果を公表するよう政府に要求。「国会議員と国民が、ブレグジットによる影響がどれほどのものかを理解し、国にとって良いことなのかどうか判断を下せるようになるためにも、政府は分析結果すべてを公開しなければならない」と主張した。

 現在テリーザ・メイ(Theresa May)首相は3日間の中国訪問へ向けて準備を進めており、また上院(貴族院)ではEU離脱の法制面での主要項目を並べた法案の審議が始まっている。(c)AFP