【1月29日 AFP】フィンランドで28日、大統領選挙が行われ、現実路線で高い人気を誇るサウリ・ニーニスト(Sauli Niinistoe)現大統領(69)が再選を果たした。ニーニスト氏は、西側諸国との溝を深める隣国ロシアとバランスの取れた関係を維持していることが評価されている。

 無所属で立候補し、開票がほぼ終わった時点で得票率62%超のニーニスト大統領は、首都ヘルシンキで記者団に対し「ここまでの大きな支持に驚き、感激している」と喜びを表した。

 フィンランドで1994年に大統領選挙での2回投票制が導入されて以来、第1回投票で勝利を決め決選投票を要さなかったのは、今回が初めて。

 欧州連合(EU)に加盟しているフィンランドは、ロシアと接している国境がEU諸国で最も長い。ニーニスト大統領は、ロシアの反感を買うことなく北大西洋条約機構(NATO)との接近に成功した。

 ニーニスト氏は1948年8月、南西部の町サロ(Salo)の労働者階級の家庭に4人きょうだいの末っ子として生まれた。弁護士を経て保守政党の国民連合に入党し、政治の世界に入った。

 財政規律を重視する同大統領は、1990年代の深刻な不況から脱却し、ユーロ圏への加盟を果たしている。(c)AFP