【1月27日 AFP】中国政府は26日、初の「北極政策白書」を発表し、北極海航路「氷上シルクロード」建設に向けた構想を打ち出した。中国政府が北極圏での自国の役割についての明確な見解を示したのは初めて。

 北極圏は中国から遠く離れているものの、原油や天然ガスの資源が豊富な上、貿易航路として利用できることから、同国にとっての重要性が増している。同白書には、習近平(Xi Jinping)国家主席の野心的な経済圏構想「一帯一路(One Belt One Road)」を北方に拡大する計画などが記されている。

 白書では、「氷上シルクロード」の建設は関係諸国との協力の上で進めたいとの意向を明記。北京で記者会見した孔鉉佑(Kong Xuanyou)外務次官によると、中国は現在、ロシアとこの構想について協議を行っている。

 孔外務次官はまた、中国が北極圏での大規模な天然ガス採取を目指しているとの見方を否定。同白書ではその代わりに、「航行の自由」追求が前面に押し出されている。(c)AFP