【1月26日 AFP】メキシコのエンリケ・デラマドリ(Enrique de la Madrid)観光相は25日、観光客に人気のバハカリフォルニアスル(Baja California Sur)とキンタナロー(Quintana Roo)の2州で嗜好(しこう)用マリフアナの使用を合法化することを提案した。

 デラマドリ観光相は首都メキシコ市で報道陣に対し、科学研究と医療目的のマリフアナ使用を昨年認めたメキシコが嗜好用マリフアナの容認にいまだ踏み切っていないのは「ばかげている」と述べた。

 デラマドリ氏は、マリフアナ解禁は観光地での暴力抑止に役立ち、海外向けのイメージアップにもつながると持論を展開。また、米国では嗜好用マリフアナが連邦法で禁じられている一方、カリフォルニア州では合法化されたことを引き合いに「米国がしたように、ある種のことについてはわれわれも異なる対応をすべき時もある」と述べた。

 米国やカナダ、欧州からの観光客に人気のリゾートがあることで知られるバハカリフォルニアスル州では、米国への密売ルートや観光客相手の縄張りをめぐって「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」と「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」の2大麻薬組織がしのぎを削っており、組織犯罪がらみの暴力が激増している。

 メキシコは麻薬関連の事件が多発している国の一つ。公式統計によると2017年の殺人事件の件数は2万5339件に上り、過去最多となった。(c)AFP