【1月20日 AFP】米俳優のマイケル・ダグラス(Michael Douglas)氏(73)の元で働いていた女性が同氏にセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を受けていたと訴え出た。ダグラス氏本人は疑いを全面的に否定している。

 作家のスーザン・ブラウディ(Susan Braudy)氏は、NBCニュース(NBC News)のインタビューに応じ、俳優カーク・ダグラス(Kirk Douglas)氏を父に持つダグラス氏について、「自分を世界の帝王と見なし、何の反撃もされずに私を屈辱を与えることができると考えていた」と主張した。

 またブラウディ氏は、1980年代にニューヨークにあるダグラス氏の制作会社で働いていた3年間、ダグラス氏から性的なことを言われたり体のことについて意見を言われたりしたと述べている。さらに虐待的な行為はエスカレートし、ダグラス氏が『ウォール街(Wall Street)』や『危険な情事(Fatal Attraction)』などのヒット作に出演した後のキャリア絶頂期に当たる1989年には、同氏の自宅で仕事中に目の前で自慰行為をされたと、ブラウディ氏は訴えている。

 ブラウディ氏はこの一件について複数の友人に打ち明けたが、皆に黙っていた方がいいと勧められたという。

 一方のダグラス氏は、疑惑が公になる前に、米芸能誌ハリウッド・リポーター(Hollywood Reporter)に対して「事実無根」だとしてこれを否定。今月9日、娯楽ニュースサイト「Deadline.com」に掲載されたインタビューでは、ブラウディ氏が「自身のキャリアが思い通りにいかなかったことに不満を抱いているのかもしれない」と述べ、これまでにブラウディ氏から抗議を受けたことは一度もなかったと主張した。

 これに対してブラウディ氏は、警察に届け出なかったのは、当時は犯罪行為として認められるとは思っていなかったからだと反論している。

 一方、ダグラス氏と2000年に結婚した女優のキャサリン・ゼタ・ジョーンズ(Catherine Zeta-Jones)さんは、ABCテレビの「ザ・ビュー(The View)」に出演し、疑惑について言及した。

 ハリウッドの女優らによるセクハラ被害者への連帯を示す運動「タイムズ・アップ(Time's Up)」や、セクハラを告発する運動「#MeToo(私も)」については「110%」支持するとした一方で、ダグラス氏が先に出した声明の内容については「明確で正直、率直」などと述べ、さらに、「30年前の出来事でしょう。つまり『B.C.(本来は、before Christ、「紀元前」の意)』。before Catherine(キャサリン前)の話よ」と笑いを添えた。(c)AFP